『方言の研究』11号 特集論文募集のお知らせ
『方言の研究』11号（2025年7月刊行予定）では，「方言研究と日琉歴史言語学研究の接点」をテーマとした特集号を企画しています。
方言研究はかねてから，変異と変化の両方の観点から，個々の方言を記述し，あるいは，方言を比較する方法論を構築してきました。変異から変化をみる，あるいは，個々の方言の内的再建から歴史を再構する研究は今後も方言研究の重要な位置を占めていくでしょう。一方，文献資料から日本語の歴史を研究していく日本語史研究においても，その専門家が琉球諸語や本土方言のフィールドに出かけて行って，現代の方言の姿に見える変異・変化の様相をヒントに研究を発展させる流れができつつあります。新しい世代による新しいタイプの分野融合，いわば「フィールド文献研究」が始まっているのです。
この流れにあって，特に最近の方言記述研究の発展は見逃せません。比較にせよ内的再建にせよ，個別方言の豊かな記述の成果がその質を左右するからです。個別方言の記述研究（特にリファレンスグラマー）の蓄積が進んでいる琉球諸語研究では，同時並行的に歴史言語学的研究も大いに発展しつつあります。今後，本土方言でも同じ流れが生じて，それらが合流し，日琉諸語の歴史言語学がますます発展していくことが予測されます。
そこで今回，上記のトレンドを捉えた特集を組むことにしました。方言記述の成果を生かして日琉諸語の歴史言語学的研究（文献日本語史研究を含む）に取り組む歴史言語学者，個々の方言の記述を進めながら，通時的問題を扱う方言研究者など，様々な立場・角度から，方言研究と歴史言語学の接点を探る研究を募集します。
原稿の締め切りは2024年9月30日です。投稿受付開始は2024年9月1日の予定です。投稿規定や方法は一般の研究論文と同様です。（こちらをご覧ください。）なお，特集テーマ以外の研究論文も通常どおり募集します。特集論文も，特集テーマ以外の論文も，ふるってご応募ください。
日本方言研究会
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